TCK Workshop通信 Vol.10

2016年10月15日 水田 早枝子
バイリンガル教育, グローバル

今回は、バイリンガル教育がテーマです。

◆子供にとっては大きな負担…?
グローバル教育がポピュラーになったせいか、私の経営する家庭教師塾でも、お子様のバイリンガル教育が想像以上に大変で、お子様が大変な思いをしてしまっているケースが残念ながら少なくありません。特に、ご両親が話せない言語を子供がネイティブレベルまで学習するのは、様々な困難を伴い、学校外にも特別なサポートが必要です。バイリンガルの子育は、家族ぐるみで取り組む20年越しの大プロジェクトです。楽しみながら、でもしっかり進めたいですよね。バイリンガルになることは本当に幸せなことなのですが、その過程はゴールのないlife long journeyであり、ふたつの世界を持つためには、やはり2倍以上の努力がどこかで必要です。私は5歳から5年間アメリカに住み、日本に帰国しました。今でもどちらでもネイティブのように話すことができます。大人になってから、バイリンガルで本当によかったと思うことは多くなったのですが、子供時代の記憶では、どんなに頑張っていても、私はできない、まだまだ足りないと感じることの方が多かったように思います。

◆バイリンガルになるには、2倍の努力が必要
グローバル化が進んでも、学校教育は国単位で考えられています。2倍のことを学ばないといけないお子様が、一か国語だけ学んでいればよいお子様と比べたら、どうしても劣ってしまうのは当然です。子供は、学校にさえ行けば常に両方とも完璧に読み書きできる状態も、そうそう保てるものではありません。言語は道具なので、よく使っていればシャープに、使わなければ自然に衰えていきます。常に両方の言語で100%を目指してしまうと、がっかりして、自信を失ってしまうことが多くなります。その時々の環境で必要な力を育てながら、使わないほうの言語が少々苦手になっても失望しすぎず、あきらめずに根気よく、前向きに続けていくのが何よりも大切です。

◆バイリンガル教育を進めるご家庭へのお願い
お子様をバイリンガルに育てているご家庭への私からのお願いは、まずお子様が高校生くらいになって、自分で学びたいと思った時にスムーズにがんばれるくらいの基礎力を育てるようにしてあげること。いまは、どうして僕だけ、私だけこんなに勉強するの?と思っていても、お子様が大きくなってから感謝されると思います!(私もそうでした笑。この場を借りて母に感謝!)そして、ひとつずつの言語では100%ではないお子様を、ご両親こそたっぷり誉めてあげてください。たとえ日本語80%、英語60%でも、合計したら140%です!大人になったら、applyできる大学は3-4倍、読める本やwebsiteは5倍以上、仲良くなれる人も何倍にもなって、とってもわくわくする未来が待っています。

*この記事は、週刊Bayspoで掲載された【東大・ハーバードのバイリンガル教育 2015年10月号の記事を編集したものです】