はじめに――東京女学館中学について

1888年に創立された東京女学館中学校・高等学校(以後、東京女学館)は

  • 「高い品性を備え、人と社会に貢献する女性の育成」

を目指している中高一貫の女子校です。

インクルーシブ・リーダーシップ国際的視野の育成に加え、自国文化理解にも力を入れている学校です。

東京女学館中学国際的視野の育成をさらに進めるため、国際学級を設置しています。

今回は、東京女学館中学

  1. 国際学級の英語教育
  2. 大学合格実績
  3. 帰国受験情報

についてまとめましたので、ぜひ読んでみてください。

東京女学館中学の国際学級と英語教育

東京女学館の大きな特徴として、2004年から開設された国際学級があり、2024年度で21年目を迎えます。

2024年度は40名が国際学級に入学し、そのうち17名が帰国生です。

1学年6クラスのうち、国際学級は1クラスのみとなっており、6年間クラス替えがないため、卒業までにクラスメイトとはとても深い絆ができます。ただし、2026年度の中学1年生から国際学級を1学年2クラスに増やして、クラス替えもする予定です。

また、学校行事やクラブ活動などは一般学級の生徒と同じなので、一般学級の生徒とも仲良く学校生活を送ることができます。

このクラスは英語教育と異文化理解に特化しているため、帰国生に向いているクラスだと思います。

さらに、現在ケンブリッジ国際認定校に申請中で、申請が認められれば2026年度からケンブリッジ国際教育プログラムが導入されて、海外大学進学の選択肢も広がる予定です。

国際学級の教育方針として重視されている「3つの柱」について具体的にみてみましょう!

Practical English

英語を「ツール」として位置づける国際学級では、実践的な英語運用能力を養うために、海外現地校のカリキュラムをベースとしたランゲージ・アーツの授業を行っています。

英語圏で使われている小説や新聞を活用して、英語を母語のように使って授業を進めます。

また、授業ではディスカッションやプレゼンテーションを積極的に行うことを通し、英語の4技能がしっかりとバランスよく身につきます。

中学3年卒業までには全員が英検2級を取得するのを目標としています。

中学の国際学級の英語の授業は3つのレベルに分かれて行うため、生徒が自分にあった速度と難易度で授業が進みます。

帰国生にとって、同じ英語力の生徒と一緒に学ぶのはとても大事なことです!

Intercultural Understanding

国際学級には、約15カ国からの帰国生が集まり、日本国内で生まれ育った生徒や本校小学校出身生徒と一緒に協力して学ぶ、多文化コミュニティとなっています。

帰国生がお互いの経験を話し、共有し会える場所があるのは、帰国してからの心のサポートにもなると思います。また、自分とは違うバックグラウンドを持つ生徒同士で学校生活を送ることを通して、多様性を尊重し、異文化を受け容れる態度が自然と身につきます。

また、国際学級の高校1年の希望者のうち、最も優れている生徒が2人選抜され、アメリカの名門女子校に1年間留学ができます。

留学したいと思う方には、とてもモチベーションがあがりますよね!

そのほかの海外交流プログラムとしては、中学3年の希望者が夏休みに参加するオーストラリア・タスマニア文化研修(中学3年)があり、現地の学校に通って授業や学校生活を体験し、観光なども楽しめます。

高校1年では、夏休みにアメリカ・ボストンリーダーシップ研修に全員が参加し、現地の女子大学生とのディスカッションに加え、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学の学生によるキャンパスツアーやワークショップ、提携する女子校への訪問や国連本部見学など、アカデミックな活動を体験します。

一般学級の生徒も国際学級の生徒も参加できる海外プログラムとしては、アメリカ・東南アジア・韓国を訪問する文化研修があります。

また、海外の生徒が東京女学館を訪問する機会もあるので、多くの人と英語で交流できるようになっています。

Inclusive Leadership

一般的なリーダーシップに加え、東京女学館では他の人を支え、自分の役割をしっかりと責任をもって果たすインクルーシブ・リーダーシップも大事としています。

授業やHRなどの日常的な学校生活はもちろん、Romeo and Juliet の英語劇(中学3年)や校内模擬国連(高校2年)など、通常の英語授業のレベル分けを超えて作られたグループで活動するすることで、各自の得意なことを通して全体に貢献する生徒を育成しています。

実践的な英語、異文化理解、インクルーシブ・リーダーシップを通して、東京女学館中の国際学級生徒は6年間成長します。

英語力が上がるだけではなく、ランゲージ・アーツの授業やさまざまな海外交流プログラムがあると、ますます魅力的になったのではないかと思います。

東京女学館の大学合格実績

東京女学館中学大学合格実績をみてみましょう。2024年3月の卒業生は220名でした。

国公立大学10名(既卒生1名)
早慶上理ICU119名(現役生)
GMARCH166名(現役生)
医学部15名(既卒生7名)

海外大学は2020年の実績は出ていませんが、国際学級の過去5年分として、

海外大学合格状況(過去3年間)

Taylor’s University MalaysiaSyracuse UniversityMount Holyoke College
Sarah Lawrance CollegeGrinnell CollegeLake Forest College
University of WashingtonBard CollegeSimmons College
Woodbury CollegeBennington CollegeHofstra University
Pennsylvania State UniversityConcordia International College

が挙げられています。

国際学級に入ることにより、海外大学に進学することができるので、サポートも充実していて、先輩方などにもお話が聞けるので良いですよね。

東京女学館中学校の帰国受験情報

最後に、東京女学館中学校帰国受験情報を確認しましょう。

東京女学館中学校の帰国生向けの入試としては、「帰国生入試」と「編入学試験」の2種類があり、どちらも国際学級に入れる入試なので、紹介します。

帰国生入試(国際学級)

資格海外在住1年以上、帰国後3年以内
試験科目算数(30分)、英語または国語(30分)、面接(日本語、本人のみ5分)
補足英語試験:英検準2級以上を持っている方は、希望によって免除。
英語の試験は50点満点で、準2級を持っている方は40点、2級は45点、準1級以上は満点の50点に換算。
面接:志望理由や海外の生活について

帰国生入試は、希望制で英語試験が免除されるのは面白いですね!

もし試験などの緊張感でしっかりと答えられないことが不安でしたら、英検の資格を利用すると良いですね。

しかし、やはり満点が欲しいので、まだ取得していない方は、受験対策として準1級の勉強をするのもありだと思います。

また、算数・国語の2科目でも受験でき、面接も日本語なので、英語圏でない地域からの帰国生や、日本人学校に通っていた帰国生でも受験することができます。入学時に英語力を問われない入試のあるところが、大きな特徴です。

編入学試験

試験科目国語・数学・英語(各教科30分・50点)/面接(本人のみ10分)
補足英検準2級以上の方は英語試験免除(準2級40点・2級45点・準1級以上50点とする)

東京女学館中学校・高等学校のまとめ

東京女学館中学はいかがでしたか?

今回は東京女学館中学国際学級、大学合格実績、そして帰国生入試について簡単にまとめました。

国際学級は帰国生にとても人気のあるクラスだと思います。

国際学級に入るには英語だけではなく、算数・国語の準備が必要です。算数と国語はどちらも入学後の授業でも必要な力になるので、しっかり準備をしておきましょう。

特に算数は、海外の学校とは違う「受験算数」であるため、対策が大事です。